Copyright (C) 2022 Hiraoka Architects.
- Project
旅館のような環境でコミュニティに貢献
- Concept
- 大阪南部の富田林市の住宅街にある鉄筋コンクリートの医院併用住宅。2階に上がってもらうことがおもてなし、という感覚があった時代に建てられたため、1階が住居、2階が医院という構成になっていた。時代が変わり患者も齢を重ね階段が厳しくなり、歴史ある医院の承継の準備として、住宅であった1階を歯科医院にリノベーションすることになった。1階の和室には、繊細な障子や欄間があり、駅の近くに古い民家が残っている富田林において、これらの建具を活かして内装を構成することで、街との繋がりができると思った。シンプルな和の雰囲気の待合室から、大きく庭に開いた和の要素でつくり込んだ診療室に導入するというストーリーを考えた。各チェアごとに、柱と梁のようなフレームと既存の障子を利用したパーティションで囲い、上部に仕込んだ間接照明が格天井を照らす。奥の壁面にはミラーの前に既存の欄間を取り付け、強い造形の奥に広がりを感じることができるようにした。見たことがないような和風の診療空間となった。
- Data