
開かれた環境でコミュニティを育む
上平医院(内科・消化器内科)
2012年 新築・移転
和歌山県日高郡印南町大字印南梅ノ坪2245-1
TEL : 0738-42-0274
https://plus.google.com/117305266320397213110/about?gl=jp&hl=ja
和歌山県の中央部に位置する印南市。
駅近くにはユニークなカエルの形をした橋がありJR線からよく見えるので、その話をすると「あ、あそこね」と言われるくらいインパクトがあります。
そのカエル橋が見える駅から近い場所で上平先生はお父さんの代から診察を続けてこられました。
港に近いエリアですが山の中にいるような雰囲気です。
従事者動線を短かくするために部屋を部分的に斜めに配置し、その結果として外側にできる三角形の小庭に植栽を施し
プライバシーを守りながら内部からは潤いが感じられるようにしました。
車で来院される患者さんのためにアプローチの上に大きく庇を突き出し建物とアプローチに囲まれる部分には水盤を設けました。待合室からはその水盤越しに河川の風景が広がります。
水盤に面する窓を一部斜めに取りつけそこに落ちる雨がガラスを伝わり、せせらぎのような流れが見えるようにしました。
一部西日が建物を突き抜けて水盤に入り込むようにし、外部に開く待合室に、天候と時間によってさまざまな表情を持たせることができるように考えました。

プライバシーに配慮しながら外部と隣接して置かれた寝台は先代のお父様から受け継いだもので安らぎが感じられるいい味がでています。
待合室にはそのお父様の生涯と診察の歴史が展示されたメモリアルコーナーを設けました。
古くからの患者さんたちに懐かしい思い出を回顧していただけると同時に新しい患者さんにも古くからの信頼を感じていただけることと思います。
広いエリアから患者さんが集まる医院ですので内科とは言え、メンタルに関わるいろんな相談も受けるようです。
上平先生はこの医院を人が集まり直接的な関わりを持ちコミュニティが生まれるような場として位置づけることを考えておられました。
その場としてTAIANという千利休の茶室と同じ名前をつけたフリールームを待合室に隣接してつくられました。
先代から受け継いだコミュニティをより発展させてより多くの住民に愛され頼られる医院の器としてまた上平先生の背景として機能することを願っています。
施工 ASJ紀伊田辺スタジオ リビング建築工房
照明計画 株式会社ライト 坂東英輔
撮影 冨田英次
ロゴデザイン
延床面積 677.09 ㎡
延床面積 149.22 ㎡
延床面積 139.40 ㎡

