屋根と壁を切りとり外部に開く

都会の中で自然と向きあう家

2004年 減築改装

大阪市生野区

第22回住まいのリフォームコンクール 優秀賞
アイカリフォームデザインコンテスト 優秀賞
新しい住まいの設計 2005年4月号 掲載

空を見ることが好きな施主のために
従来は部屋だった部分の壁と屋根を切り欠き
大きなリビングダイニングに
ルーフバルコニーを2箇所新設することにしました。

うち1箇所は浴室に隣接しており
雑木林のような中庭と空を楽しみながら
毎日の入浴が楽しめるようにしています。
天井に内臓したスピーカーから流れる音楽が
より一層リラックスさせてくれることでしょう。

天井には意匠を施さず横への広がりを強調し
さらに大きなミラーの設置により空間の領域を曖昧にして
開放感を強調しました。
外部からの視線を遮るために
東側バルコニーには視覚的に軽快な常緑樹を植え
大テーブル(家族が集まると総勢16人になる)からはどこを向いても
必ず植栽(外部)が視界に入るように配慮しています。
朝は中庭のバルコニーまで陽が射し込み
夕刻は木漏れ日としての夕陽が入りこみます。
日中は刻一刻と変わる陽射しによって空間が表情を変え
日没までは照明をつける必要はありません。
夜間はライトアップにより植栽が浮き上がり
2箇所のバルコニーのガラスによって囲まれた照明がいく重にも反射し
幻想的な空間へと変わります。
照明回路を細かく分岐しているので
必要な部分だけに光を供給することができ
光むらによるくつろぎを感じてもらえるように配慮しました。

”こんなところに 住んでいいんでしょうか?”
との素敵な賞賛をいただきました。
施工 株式会社クリサキ
撮影 藤谷伸次